二年前、私は思い切った決断を下しました。カナダでの安定した仕事を辞めることにしたのです。しかし、その背景には80Kドルの貯金があり、これがあればしばらくは安心だろうと考えていました。最初こそ新しい冒険へのワクワク感でいっぱいでしたが、時が経つにつれてその気持ちは不安に変わっていきました。特に、銀行口座の残高が減少していくのを見ると、心が沈みました。そのため、自分の支出を見直すことにしました。「もしかして、無駄遣いが多かったのか?」と疑念が湧きました。しかし、モントリオールの生活費が月平均3,750ドルということを考慮すると、自分の予算がそこまで無謀ではないことに気づき、ほっとしました。この発見は、まるで肩の荷が下りたような清々しさを感じさせてくれたのです。
失敗したと思い悩んでいる暇はありません。そこで、私はエネルギーを別の場所に注ぐことにしました。具体的には、志を同じくする仲間と共にGuitartonicを立ち上げたのです。このプロジェクトは、私に新たな喜びを与え、音楽への情熱も再燃するきっかけとなりました。ただし、すべてが計画通りに進んだわけではありませんでした。あるフィンテック製品の開発に取り組んだものの、それは想定外の失敗に終わりました。この経験を通じて、創造的な過程には意見の相違がつきものだと理解しました。それでも、私は諦めず、Blympという新たなベンチャーを立ち上げました。その結果、ついには月600ドルの安定した収入を得ることができました。この過程を通じて、逆境は私たちの最大の資産であるレジリエンスを育ててくれるとも感じました。挫折は新たなイノベーションの源となるのです。
モントリオールの中心にあるコリビングスペースで、情熱的な起業家たちとともに生活することは、実に刺激的な体験でした。毎週のボードゲームナイトや創造的な料理セッション、意見交換の会議など、様々な活動を通じて、私たちのコミュニティ意識はどんどん高まっていきました。ルームメイトたちのエネルギーに触発され、私は新しいことに挑戦する意欲をもらいました。ある日、ルームメイトがピアノを持ち帰ってきたことで、私の音楽生活が再び色づき始めました。この意外な出会いがきっかけで、私は「Lumières」といった美しい楽曲に挑戦することになりました。このように音楽は私にとっての心の避難所となり、日々に喜びと美しさをもたらしてくれました。この経験を通して、失業という不安定な状況であっても、つながりや成長のための素晴らしい機会が待っていることを私は確信しました。
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