最近、米国と英国が対外援助機関を解体するという重大な決定を下しました。この変化は、世界中の注目を集めており、未来の人道的取り組みに対していくつかの疑問を投げかけています。2020年6月、ボリス・ジョンソン首相は国際開発省(DFID)と外務省を統合する計画を発表しました。彼は、財政的な責任を果たす必要があると説明しましたが、批評家たちは、パンデミックの影響で必要とされる支援を無視していると指摘しています。また、トランプ政権下の米国でも、米国国際開発庁(USAID)が縮小される方針が進められました。たとえUSAIDの予算が連邦予算のわずか0.7%に過ぎなかったとしても、その役割は多くの開発プロジェクトにとって極めて重要です。これらの動きが示すのは、国家の予算がグローバルな福祉よりも重要視される傾向です。
対外援助には、しばしば利他主義的な面が強調されます。しかし、実際にはその背後にある動機を見極めることが重要です。具体的には、多くの国は、自国の援助プログラムを「善意」や「国際的責任」として説明していますが、実際には自己利益が大きな役割を果たしています。たとえば、COVID-19のパンデミック中、多くの国がワクチンを配布した際の背景には、人道的な理由だけでなく、国際的な評判を向上させたいという意図もあったのです。また、研究によると、多くの援助プログラムは、受益者のニーズよりも寄付者の利益を優先するように構成されています。このように、果たしてこれらの援助が本当に必要なコミュニティをサポートしているのか、それとも寄付者のイメージを良くするための手段に過ぎないのか、疑問が残ります。
対外援助予算の削減がもたらす影響は、非常に深刻で多面的です。たとえば、英国ではDFIDの統合後、対外援助支出が国民総所得の0.7%からわずか0.5%に減少しました。これは約60億ドルの減少を意味しており、重要なプログラムへの資金が大幅に削減される事態になっています。このような背景に対して、開発の専門家たちは強い反発を示し、現在健康危機や教育の需要が急増している時に、こうした削減が行われることは許されないと訴えています。また、米国におけるUSAID予算の削減は、貧困国における重要な支援システムを崩壊させる危険性があります。これにより、多くの人の命が脅かされ、生活が困難になります。このように、即時の財政的救済が人道的な義務よりも優先される結果、国内外での責任の違いが際立ちます。発展途上国の人々にとって、これは単なる統計やデータではなく、命や機会の喪失を意味し、最も支援が必要な時期にコミュニティが脆弱な状況に置かれることを示しています。
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