北京や上海をはじめ、中国の主要都市では、香港中等教育資格試験(DSE)を提供する学校の学費がこのところ急激に高騰しています。特に目立つのが、北京にある名門ユーチュング国際学校の例です。なんと、年間の授業料が334,000元にまで達しているのです。この金額だけでも、多くの家庭にとっては想像を絶する高さであり、例えるなら、家族旅行を何度も楽しめる資金や、小規模なビジネスを始められるくらいの大きな額です。ですが、これは学費だけの話ではありません。寮費や食費、制服代や課外活動の費用も含まれており、さらに付随する費用を合算していくと、到底多くの家庭にとって手が届かない夢物語となってしまいます。一方、他の学校では平均して約150,000元といったところですが、それでも、追加の費用が積み重なることで、最終的な総額はますます膨れ上がります。この状況は、まるで高額なレースのようです。最も裕福な家庭だけが走り続けることができ、貧富の差がますます大きくなるのは避けられません。このことで、教育の公平性は大きな危機に瀕しています。今や、誰もが平等に受けられるはずだった教育の権利が、富裕層の特権へと変わりつつあります。こうした高騰が続けば、私たちが幼い頃に夢見た“平等な教育”は遠い理想になってしまうかもしれません。だからこそ、今こそ政策立案者が立ち上がり、教育の公平性を取り戻すための抜本的な改革に乗り出すべき時です。未来の子どもたちのために、私たちは教育の本質を再び取り戻す努力を重ねる必要があります。
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